胃がんリスク検診(ABC検診)
胃がんリスク検診(ABC検診)は、胃がんそのものを見つける検査ではありません。人の胃の中に生息するヘリコバクター・ピロリ菌の感染の有無と、ペプシノゲン判定による胃粘膜の萎縮の度合を血液検査で調べ、胃がんや胃潰瘍、慢性萎縮性胃炎などの胃疾患に罹るリスクを下記のようにAからDに分類します。
ヘリコバクター・ピロリ抗体検査 | |||
---|---|---|---|
陰性 | 陽性 | ||
ペプシノゲン検査 | 陰性 | Aタイプ | Bタイプ |
陽性 | Dタイプ | Cタイプ |
ペプシノゲン検査とは
血清中に含まれるペプシノゲン(胃粘膜から分泌されるペプシンの前駆物質)の濃度を測定することによって、胃粘膜の健康状態(萎縮度)を確かめる検査です。
胃がんの多くは胃粘膜の「萎縮」を経て発生すると考えられており、これが胃がん検診に応用されています(ペプシノゲン法)。ペプシノゲン法で陽性と出た人は、陰性の人よりも胃がんなどの発見率が高いことがわかっています。
ヘリコバクター・ピロリ抗体検査とは
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんの主たる原因と考えられており、2000年には潰瘍の再発を予防する効果があるとして、その除菌治療が保険適用となりました。このピロリ菌に胃が感染していないかどうかを調べる検査がヘリコバクター・ピロリ抗体検査です。ピロリ菌に感染していない人が胃がんになることは稀です(すべての感染者が胃の病気になるわけではありません)。
タイプ別診断
Aタイプ=健康的な胃粘膜
胃の病気になる危険性の低い、健康的な胃粘膜と考えられます。ただし、念のため一度は内視鏡検査等の画像検査を受けましょう。
Bタイプ=少し弱った胃粘膜
少し弱った胃粘膜ですので、胃・十二指腸潰瘍などに注意が必要です。一度、内視鏡検査を受けておきましょう。
Cタイプ=弱った胃粘液
胃がんなどの病気になりやすい、弱った胃粘膜です。内視鏡検査が必要で、定期的な検査をお勧めします。
Dタイプ=かなり弱った胃粘膜
かなり弱った胃粘液ですので、胃がんなどの病気になるリスクがあります。内視鏡検査は毎年、必ず受けましょう。
Eタイプ(ABC分類対象外)=除菌群
ヘリコバクター・ピロリ除菌後の方(Eタイプ)は、定期的に内視鏡検査を受けましょう。
下記のどれかに当てはまる方は、正しい結果が得られないケースがあります。
- ヘリコバクター・ピロリの除菌治療を受けた方
- 明らかな上部消化器症状のある方
- 上部消化管の疾患を治療中の方
- プロトンポンプ阻害剤を内服中の方
- 胃切除後の方
- 腎不全の方
料金について
検査内容 | 料金 |
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胃がんリスク検診(ABC検診) | 4,000円(自費) |
※別途、診察料がかかります。